6月のある夜、神戸市東灘区を流れる住吉川へ、子供たちと一緒に蛍を探しに行ってきました。時間は夜8時過ぎ。日中の喧騒がまだ続く住宅街のなか、川辺に立つと、ふわり…と柔らかな光が闇の中を漂っているのが見えました。
そう、蛍です。

(右は拡大:蛍の光はオレンジの囲みのなか。iPhoneでは撮りづらいですね)


神戸のような都市部で、しかも自宅からほど近い場所で蛍に出会えるなんて──正直、期待以上の体験でした。川沿いにはマンションや住宅が並んでいますが、水辺の環境はとても清潔に保たれていて、自然と人の暮らしが絶妙に共存している印象を受けました。
調べてみると、住吉川では地元の団体が毎秋、ホタルの幼虫の放流活動を行っているそうです。放流といっても、ただ川に放すだけではなく、幼虫が安心して成長できる水質や周辺環境の維持にも力を入れているとのこと。この地道な活動のおかげで、今のように私たち家族が気軽に蛍の光に癒されることができるのですね。
蛍の光に包まれた子供たちは、目を輝かせて「また来たい!」「もっと見たい!」と大はしゃぎ。虫が苦手な末の娘も、この幻想的な体験にはすっかり心を奪われた様子でした。
自然に触れる機会が減りがちな今の時代、こんなにも身近に“本物の自然”と触れ合える場所があることは本当に貴重です。美しいものに出会うと、「守りたい」という気持ちが自然と湧いてきます。私自身も、蛍の儚くも力強い光を見ながら、自然を大切にする心を改めて胸に刻みました。
これから蛍の季節も終盤に差しかかりますが、まだチャンスはあります。週末の夜、家族そろって住吉川の散歩がてら、蛍観賞はいかがでしょうか? 雨の日の、次の日の夜が鑑賞に適しているようですよ。静かな川辺で、ふとした瞬間に現れる光の舞は、子どもたちにとっても、大人にとっても、心に残る特別な時間になるはずです。