こんにちは、ハル・ヒカです。
前回は取り扱いしやすい水槽のサイズについて書きました。今回は水槽の”立上げ”についてです。
熱帯魚飼育を成功させるためにまず必ずクリアしなければならないのが水槽の立上げを確実に行うということです。なお、立ち上がって安定した状態までにおよそ1か月ほどかかります。
- 水槽を選定する
- レイアウト・コンセプトを決める
- サブストレートの追加
- 植物の選定
- フィルターとヒーターの設置
- 水質調整とサイクリング
- パイロットフィッシュによる検証
- 定期的なメンテナンス
※5.~8.は後編(初心者のための熱帯魚飼育のポイント②-2:水槽の立上げ(後編))に記載
1. 水槽を選定する: 取り扱いしやすい適切な大きさの水槽を選びましょう。初めての場合、水量30リットル以上(目安:45㎝規格以上)の水槽がおすすめです。 前回記事「初心者のための熱帯魚飼育のポイント①:水槽の選択」がご参考になればと思います。
2. レイアウト・コンセプトを決める:水槽のレイアウトや材料を決めていくうえで、コンセプトが大切です。コンセプトの種類は限られたものではありませんが、いくつかの例と特徴についてこちら(初心者のための熱帯魚飼育のポイント③:水槽のコンセプト)にまとめていますので参考にされてください。
レイアウトについてはそれぞれのコンセプトによって様々な手法があるでしょう。例えば、水草水槽のレイアウトでは水槽の奥行きを考慮して、前景、中景、背景のエリアを設けます。これにより奥行き感が生まれ、美しさが引き立ちます。 次に、異なる種類の水草を組み合わせて植栽し、多様性を取り入れます。低木状の水草や広がりのある水草など、様々な形状や高さ、色の植物を配置することで、見た目にバリエーションが生まれます。 照明も導入して、水草が十分な光を受けられるようにしておきます。また、水草は成長しますので、その成長速度や水槽の大きさに応じて、栄養素やCO2供給を調整することも考慮することもあります。最後に、導入する生体の習性なども考慮して配置を決定します。こういった生態系の安定も大切な要素になります。
3. サブストレートの追加: 水槽の底にサブストレート(ソイル、砂や小石)を敷きます。これは植物の根付きや生体が掘り掘りするのに必要です。 生体の種類と習性に応じて用意しましょう。例えばナマズの仲間のコリドラスは底砂を吸い込んでエサを探します。角ばった小石や砂ではコリドラスが傷ついてしまいますので、粒子の細かい田砂のようなものを用いるとよいでしょう。このサブストレートには水質の安定に必要な微生物を保持する役割もあります。ここを適切に導入してメンテナンスすることはその水槽の水質を安定することに大きく寄与する大事なポイントです。また、大型の熱帯魚やディスカスなどではサブストレートを用いない、ベアタンクという方法を選択することもあります。
4. 植物の選定: 植物の選定はアクアリウムのレイアウトに大きな影響を与えます。以下に、異なるレイアウトパターンに合わせた水草の例を挙げます。それぞれ異なるレイアウトに合わせた水草の組み合わせを示しています。水槽の大きさやライトの条件によっても選択は変わりますし、色味も考慮してもよいでしょう。自分のアクアリウムの環境に合わせて調整するとよいでしょう。
【草原様レイアウト】
前景: ヘアーグラス、ミクロソリウム(ジャヴァフェルン)、リランドラ
中景: エキノドルス(バルビエータス)、アマゾンスウォードプランツ
背景: バリスネリア、ロタラ、アナヒタ
【岩礁レイアウト】
前景: モンテカルロ、ミニペルセウス、クリプトコリネ
中景: ジャヴァモス、アヌビアス(ナナ系)、エキノドルステネルス
背景: ロタラ、ハイグロフィラ、ルドウィジア
【森林様レイアウト】
前景: マーサンティア、ヘアーグラス、フィッシュボーンフェザーフェルン
中景: ウェーバーボール、アヌビアスコンジェンシス、クリプトウェントイ
背景: セルローサ、アルテルナンテラ、バリスネリア
(後編へ続く)