初心者のための熱帯魚飼育のポイント②-2:水槽の立上げ(後編)

アクアリウム
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こんにちは、ハル・ヒカです。

前回に引き続いて水槽の”立上げ”について書いていきたいと思います。

  1. 水槽を選定する
  2. レイアウト・コンセプトを決める
  3. サブストレートの追加
  4. 植物の選定
  5. フィルターとヒーターの設置
  6. 水質調整とサイクリング
  7. パイロットフィッシュによる検証
  8. 定期的なメンテナンス
    ※1.~4.は前編(初心者のための熱帯魚飼育のポイント②-1:水槽の立上げ(前編))に記載

5.フィルターとヒーターの設置: フィルターやヒーターを設置し、水の循環と温度調整を確保します。これは熱帯魚にとって重要です。 一言でフィルターといっても、それぞれ濾過能力やメンテナンス方法、水流の向きなどが大きく異なりますので、ご自身の水槽タイプや求めている条件に当てはまるろ過フィルターを選ぶことがとても重要になります。適切なフィルターを選び、快適かつ綺麗な水槽を作りましょう。なお、詳細については、”初心者のための熱帯魚飼育のポイント④:フィルターの種類と特徴”にもまとめていますのでご覧ください。
ヒーターは熱帯魚が健康で快適に過ごすための必須アイテムです。生体によって適合温度が異なりますのでそれに合ったものを用いましょう。ヒーターの出力はおよそ水量によって適切な範囲がありますのでよく確認して選定してください。極端に低温になる環境などの場合、環境温度にも影響を受けますので留意ください。また水槽の中の温度が均一になるためには水が循環する必要もあります。フィルターやエアレーションによって水槽内の水を動かすようにしてください。

6. 水質調整とサイクリング: 水に水道水を用いる場合はカルキ抜きをしたもの用意しましょう。市販されているカルキ抜き用の処理剤を使うと簡単。水質を安定させるためのバクテリアは水槽内の床材やフィルター内部を主な住処にしますが、それらの成長を促進するために、水槽をサイクリングさせます。これにより、熱帯魚にとって悪影響を与えるアンモニアや亜硝酸のレベルを低く安定的に保つことができます。バクテリアが十分増殖して水質が安定してくるまで少なくとも2週間は必要です。この間、水槽の水が白く濁ることがありますが、この場合、バクテリアの活動まだ十分でないために他の微生物が増殖しすぎてしまっていることが多いです。この場合、エアレーションをしっかりすることで本来増殖してほしい硝化バクテリアの活性を促すと濁りが徐々に改善してきます。また水槽に植物を追加することにも水質安定効果があります。これは必要な酸素の供給や熱帯魚などの隠れ家の提供という効果を生みます。

7. パイロットフィッシュの導入: サイクリングが完了したら、熱帯魚を導入できるようになりますが、最初は少数から始めます。このとき初めに導入する魚をパイロットフィッシュと呼びますが、これらは環境に対して強健なものを選び、数匹程度導入します。立ち上げたばかりの水槽はバクテリアの活動が安定していません。ここに数匹の環境に強い魚を入れることでこの魚が出す老廃物などによってバクテリアの活動サイクルを促進、安定化させることができます。淡水、海水それぞれで代表的なパイロットフィッシュを以下に記載します。

  • アカヒレ(淡水):コイ科の小型温帯魚でコップの中で育てられるほど丈夫。コッピ―とも呼ばれています。
  • ネオンテトラ(淡水):生命力が強く、安価で入手可能な熱帯魚です。赤と青の体色は水槽に映えます。
  • メダカ(淡水):普通のメダカであれば安価に入手可能です。
  • デバスズメダイ(海水):頑健で性格が穏やか。取り扱いがしやすいです。
  • テンジクダイ(海水):比較的頑健で、他の熱帯魚とは異なった遊泳スタイルなので、立上げ後も絵になってくれるでしょう。
  • ハタタテハゼ(海水):値段も安価で性格も穏やかです。ただし、他のものと比べて頑健さでは少し劣ります。

8. 定期的なメンテナンス: 水槽の水替えと底砂の清掃を定期的に行い、水質を維持しましょう。水替えの頻度は水槽の状態によって変わってきます。通常は1週間に1度、1/3程度の量の水を替えます。同時に底砂の清掃をしておくとよいでしょう。底砂の清掃はソイルの場合と砂や砂利の場合など状態によってやり方や用具が変わってきます。水槽のコケ対策として、スクレーパーなどを使った物理的除去をとることもありますが、ハル・ヒカのおすすめは生体による除去です。このことは”初心者のための熱帯魚飼育のポイント⑤:コケ(苔)対策“に詳しく書いていきたいと思います。

いかがでしたでしょうか?熱帯魚の健康と水槽の美しさを保ち、理想的なアクアリウムライフを送るために役に立つ知識・経験をこれからも配信していきたいと思います。

ハル・ヒカでした。

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